泉州タオルとは
水とあゆむ
大阪・泉州では、和泉山脈から流れる豊富な水を資源とし、130年以上前からタオルづくりが行われてきました。地下200mから汲み上げられる地下水は、一度も枯れることなく、絶え間なく流れ続けています。
日本にタオルが入ってきた明治初期、水分をぬぐうものといえば晒木綿、いわゆる手ぬぐいで、タオルはその吸水性の良さから人々の手に渡り広まりました。泉州で木綿織物業を営んでいた里井圓治郎は、このタオルの機能に魅了され、タオル織機の開発に乗り出し、成功。それが国内ではじめてのタオルづくりでした。
大阪の佐野地域(現在の泉佐野市)はもとよりその温暖な気候から綿花栽培が盛んであり、和泉山脈からの水資源をもとに織物産業も発展していた地域。晒木綿からタオルの生産へと移り変わっても産業は続いていきました。吸水性に優れた“後ざらし”製法を守り、技術を進化させ、創意工夫を重ねながら泉州タオルの歴史は130年以上続いています。
水とつくる
“後ざらし”のタオル
「さらし」とは糊や原料である綿の油分や不純物を洗い落とし、漂白する作業のこと。先ざらし製法では、糸の状態でさらしを行います。その後糊付け、織りの工程へと進み、織りあがった生地の糊抜きを行い仕上げます。
一方、泉州タオルは生糸に糊付けした糸で織りあげた後、生地でのさらしを行う“後ざらし”製法で仕上げます。綿の油分や不純物、汚れを最後の工程できれいに洗い落とすため、泉州タオルはおろしたてから高い吸水性があるのです。
また“後ざらし”製法は、生地を織りあげてから行うため、工程が少なく水やエネルギー使用量も少なくて済みます。
タオル生産では大量の水を使い、同時に大量の排水も必ず出ます。それを基準に則るだけでなく、より高い基準を掲げ濾過をし、きれいな水に戻し、大阪湾に流しています。ものづくりに水を使うからこそ、水や水をつくる自然環境に配慮し、責任をもって向き合っています。
水とくらす
朝、顔をふき、昼に汗をぬぐい、夜は濡れた髪を、身体をおおう。肌に触れ、生活のそばにずっとあるもの。だからこそ、暮らしに寄り添うタオルづくりを目指しています。
タオルに求められることは水を吸うこと。 “後ざらし”製法によるタオルは、その吸水の良さから家庭に限らず、理容室や銭湯など商業の場でも愛用されています。ほどよく薄手で乾きやすく、さらにコンパクト。毎日使って、洗い、たたんで収納しやすい。日常的に使いやすいタオルです。
薄手のタオルづくりに軸をおいた泉州タオルは、その分、洗濯時においても、水の使用量が少なくて済みます。水を欠かすことのできないタオルだからこそ、限られた資源を大切にします。
水をまもる
泉州タオルのものづくりは、泉州産地の豊かな水資源があるからこそ、130年以上もの長い間続いてきました。
この豊富な水を生み出す自然の恩恵に預かり、水を大切に生かしながら、環境に負担をかけないものづくりを継続的に行っています。
タオルづくりの源となる水を育む地球の未来のため、泉州タオルは環境保護活動団体へ寄付をしています。